ちょっと前の記事で書いたけど、巷の予想通りキャノンのミラーレス「EOS M」が登場。9月には店頭に並ぶらしい。
ところが、これがちっとも萌えない作りでなんともガッカリした。
その気になればフルサイズ一眼のマーケットを喰い荒らすくらいの過激さを期待したのだけど、なんとも平凡な作り。キャノンの社内会議の様子が目に浮かぶよう。
「そんなものを出したらうちのドル箱、EOSシリーズが売れなくなるじゃないか!」
「しかし専務(勝手にこう妄想)、現在フルサイズの一眼は国内では不振です。加えてスマホにカメラ市場が脅かされているんです。このままじゃ・・・」
「だからといって自分で自分の首を締める真似を許すわけにはいかん! もう少し地味なスペックにまとめ直したまえ」
「しかしそれでは売れない・・・」
「いいんだよ。他社との競争の手前、ミラーレスには参入するが、こんなものは本来邪道だ。 ウチの主要顧客であるプロカメラマンに受け入れられるはずはないんだ」
とかなんとか。
個人的には、多少高くてもいいからフルサイズのEOSをドブに捨てたくなるような超高性能のミラーレスを期待するのだが、やっぱり無理なんだろうか。
少なくとも、ミラーレスを選択する時点でメカ精度は関係なくなるし、レンズを別にすればCMOSと画像処理エンジンのスペックがすべてを決めるような気がする。
キャノンの画像処理エンジンはDEGICという独自開発のプロセッサで、現在6代目、かなり熟成も進んでいる。
動画撮影も、外部制御も、ソフトウェア次第でいくらでも実装できるのだから、その気になればあのコンパクトボディに全部入りの機体なんか簡単に実現できるはずなのだ。
高性能なカメラはでっかくなくてはいけないと誰が決めたのか。
そういえば昔、京セラがヤシカのカメラ事業を吸収してカメラ業界に参入するときに「サムライ」という片手持ちハーフサイズカメラを売りだしたのを思い出す。
デザインの斬新さとは裏腹に画質はハーフサイズとは思えないほど良くてびっくりした記憶がある。国内ではそれほどでもなかったのだけど、ネーミングもあって主に海外で人気だったと聞いたことがある。
高度なテクノロジーをベースにした、斬新なアイディア商品がメイドインジャパンから消えて久しい。
僕にはそれが、ソニーやシャープなどの凋落と重なって見える。