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2009年7月23日木曜日

伝説の日食雨

いやーまいったまいった。
上海市内から車で約75分の場所で観測所を開設し、その瞬間に備えた僕らスタッフだけど、あいにく前日は激しい雷雨。当日の朝も小雨交じりで観測はほとんど絶望していた。

ところが、第一接触の一時間ほど前からところどころ雲が薄くなり、瞬間的に太陽が姿をのぞかせるようになってきた。
これは行けるかも。一縷の期待を胸に機材セッティングを開始。
その後も天気は一進一退。でも、太陽をとらえたビデオカメラのモニタ画像には欠け始めた太陽が何度も何度も姿を見せ、モニター前には子供の大群が興奮状態でかぶりつき。
で、皆既の瞬間。
残念ながら雲が再び厚くなり、結局その後も太陽の姿を見ることはできなかった。
それでも、皆既の瞬間、辺りは夜のように暗くなり、お客さんが会場のそこかしこで焚くフラッシュの輝きがなんとも幻想的。そう思う間もなく気温が一段と下がり、雨がポツリポツリと降ってきた。飽和に近いほどムシムシした天気であったため、気温が急激に下がったために空気中の水蒸気が凝結して雨になったのではないか。とは望遠鏡メーカーT社のエンジニアの推測。皆既終了とともに雨はやんだ所をみるとあながち間違えではないかも。
そんなわけで5分後、再び明るくなった空を見上げながらとりあえず今回は引き分けだねとスタッフと談笑を始めたころ、ついに天気予報通り本物の雷雨がやってきた。予報では朝から「雷陣雨(サンダーストーム)」の予報だったので、ここまでもったのはほとんど奇跡。
お客さんの緊急避難場所になった大型テントは流れ込む雨水でドロドロ。あまりに激しすぎる雨脚に傘はほとんど役に立たず、大型電動カートを呼んでお客さんをバスにピストン輸送するも、今度はカートがぬかるんだ草地でスタックする始末。
僕ら全員ずぶ濡れになりながらカートを押す、押す、押す!
どうにかこうにか1000名近いお客さんを送り出した後はスタッフ全員ずぶ濡れで、しかも妙なハイテンション。これも日食病の症状かも。

そんなわけで、僕らの日食観望会は終わった。日本国内の職場で別に仕込んだイベントも大成功だったそうで、まあまあの達成感。
さて、帰るか。