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2012年11月23日金曜日

愛着のわく筆記用具を探し求める

愛着のわく筆記用具の筆頭と言えばやはり万年筆だろうと思う。
僕自身も、一時期万年筆に挑戦しようと思ったことはある。まずは入門編として無印良品のアルミ軸万年筆を使ったことがあって、それはそれで気に入っていたのだけど、結構あっという間にインクが無くなる。
ガシガシ書いていて、さあこれから!という時にインク切れが発生して、これまたそんな時に限ってカートリッジを切らしていたりする。
しょうがないのでとりあえずその辺りのコンビニで安いボールペンを買い、その内にインクを買わなくては…と思っているうちにカラカラに乾いてしまい、面倒くさいから放置…ということを少なくとも10回は繰り返しているだろうか。
乾いた万年筆は湯のみ等に食器用洗剤を数滴垂らしてお湯を注ぎ、ペン先部分を一晩つけておけばだいたい復活する。だが、面倒ばかりでなかなか愛着がわかず、結局ふだん使いにはボールペンというお手軽な選択に逃げてしまう。

そんなわけで、万年筆ほど面倒がなく、それなりに重厚感があって愛着の湧きそうなペンをずっと探し続けていた。
工業デザイナーをやっていた時にはパイロットの「ハイテックC」というプラ軸のペンをダース単位で買い込み、アイデアスケッチを描き飛ばすのにガシガシ使っていた。替え芯もないし、インクが無くなる頃には先も潰れるので使い捨て。
その後も幾つかのゲルインキボールペンを渡り歩き、最近は三菱の「uni-ballシグノ」が結構お気に入り。
色は黒ではなくブルーブラックかブラウン・ブラックを使うことが多い。
なんといっても極細で書きやすく、僕の強い筆圧でも潰れないところが気に入っているのだが、所詮安価なプラ軸ボールペンの悲しさ。重厚感はカケラもないし、他人のペンとよく似てるのでとにかくひんぱんに失くす。愛着以前の状態だ。
何とかならないかなあと悩んだ結果、万年筆みたいな(ちょっと高級な)ボールペンの軸に、お気に入りのシグノが入らないかと思い始めた。

ググってみると、同じように考える人はいるもんで「JIS規格「ゲル J/K/L互換リフィル」で、大人のボールペンを作る」という記事がヒット。
まさに思い描いていた通り、シグノ系の芯をOTHOのボールペン「LIBERTY」に入れることができるらしいと知る。
この「LIBERTY」の嬉しいところは、OTHOのラインナップでも相当に様々な替え芯が選べ(なんと筆ペンまで選べる!)、シグノの芯も入る所。
標準の替え芯は300円くらいするらしいけど、もしインク切れになってもシグノならそこら辺のコンビニや100円ショップでも手に入る。
お値段1050円のわりに軸には高級感さえ漂う。
そんなわけで、最近はこの「LIBERTY」を持ち歩いて嬉しがっている。万年筆の面倒も、プラ軸ボールペンの安っぽさもない、まさに理想の組み合わせだと思う。標準でついてきた黒インクの芯を使い切り、シグノのブルーブラックを入れる日が来るのが今から楽しみでならない。

2012年11月14日水曜日

SHOT NOTEから普通のメモパッドへ回帰


SHOT NOTEというのはキングジムの発売したメモ帳やノート類のブランド名。
何が新しいかというと、iPhoneやAndroidのカメラアプリと連携していること。
他社からも似たコンセプトの競合製品が次々発売されたけど、基本的な仕組みは概ね同じ。
四隅や周辺にマーカーのある独特なレイアウトのノートに手書きでいろんなことを書いたり、ポストイットやちょっとしたレシートくらいなら貼り付け、それをアプリで撮影すると歪補正をしてくれて、斜め上から撮影しても真四角の状態で取り込み、jpegやPDFにできるというもの。日付や通し番号はOCRもしてくれて、EverNoteやDropboxに送信すると付加情報として画像にくっつけてくれる。
アナログなメモをデジタルに変換するツールとしては結構便利で、ちょっとした紙ものをすぐに失くしてしまう僕としては一時期なくてはならないアイテムだった。
その流れで最近では会議などで配布された資料なども片っ端からScanSnapで取り込んでEverNoteに放り込むようになり、放っておくとすぐに机の上に積み上がってしまう紙媒体の整理もだいぶこなれて来た。
ところが、マーカーなしでも半自動的に歪み補正をして撮影したものをとり込んでEverNoteやDropboxに送信も可能な高性能なアプリ(CanScannerなど)を使うようになって、必ずしもSHOT NOTEは要らないんじゃないかと気づいた。
不細工なマーカーがないことで後から使いやすくなるし、何よりSHOT NOTEは結構高い。ロルバーン、モレスキンなどの高価なノートパッドに匹敵するコストがかかる。だったらいっそ、そういった自分の使いやすいお気に入りの文具を使いたいのが人の常。
まあそう思わなくても、結局デジタル化するのであれば方眼が薄く印刷されたノートパッドであればなんでもいいわけで、おまけにミシン目がついて切り離しやすければなお良し。
そんなわけで、100円ショップのダイソーで方眼ノートを買ってみたが、さすがにこれは製本がひどくて使いにくかった。
何事も行き過ぎは良くないという見本みたいな話。

2012年11月7日水曜日

Androidスマホ用ナビアプリを比べてみた


故あってスマートフォンのカーナビアプリを色々調べている。
最近はスマホ単体で使えるカーナビアプリは調べてみると結構多いのだが、個人的にこれは!と思っているアプリは今のところ下の3つ。

1)docomoドライブネット
2)GoogleMapナビ
3)NAVITIMEドライブサポーター

このうちGooglemapナビだけが無料で、それ以外は月額300円程度の定額課金制なのだけど、いずれも思ったより結構使い勝手がよくて驚く。
昔々パイオニアが出していた「AirNavi」がクラウドにマップデータや渋滞情報を置く通信型カーナビの元祖で、僕自身使ったこともある。マップデータが自動更新される当時としては斬新なナビだったのだけど、ルート検索が遅かったり、リルートが遅くて交差点を曲がり損ねたり、まあ不便も多かった。
ところがこれらのナビアプリはそんなものははるか後方に置き去り、下手するとHDDナビまで余裕で凌駕するレベルなのは正直スゴイ。

まず、docomoドライブネット。アプリの起動直後に承認のための通信が発生するのが少々うざいが、現在使っているパイオニアのサイバーナビと同じマップデータを使っているためか、ルート検索の結果などもまったく遜色のないレベル。というか、製品版カーナビ同様に裏道案内が自粛された優等生的なルート検索。
ただ、その割にマップデータの細部に小さなミスがある。例えば僕の職場などは裏手にある職員用の駐車位置まで少し距離があるのだけど、なぜか隣接する隣の施設へのアプローチから入るように案内されるなど。
パイオニアのマップデータは昔からこういう私道や細道の案内に弱いところがあり、それがなかなか修正されないのが不満。
それ以外で気になるのは単体使用の場合、走行中に自車位置を示す矢印の移動が少々ぎこちない部分かな。
(ドライブネットは外付のGPSユニットと加速度センサーがあるのでそこら辺は後述)

次にGoogleMapナビ。(MapとNaviは別のアプリなので注意)
Googleのナビで一番気に入っているのは、最初に目的地を入力する画面がものすごく使いやすい。
大きく「目的地を音声入力」「目的地をキーボードで入力」「自宅に戻る」「地図表示」の4つのアイコンが表示され、その下には履歴が新しい順に並ぶ。
音声認識が秀逸で、結構正確に認識する。
ルート検索はまあまあ良い感じ。小道の案内ミスもないし、到着予定時間もなかなか正確に出る。思うにこれはストリートビューの撮影車が実走行したデータが反映されているのではないかと思う。無料アプリとは思えない使い勝手の良さ。
全般的に他のアプリよりリルートが早いが、まれにものすごく遅くなる事がある。通信状態にもよるが、他のアプリよりキャッシュが少なく設定されている印象。

次にNAVITIMEドライブサポーター
マップの表示が美しく、手元ではちょっとどぎつく思える配色も、ダッシュボードに設置してみると結構見やすい。
また、交差点や分岐などで標識のグラフィックが出たり、道路の絵が出たりするのは意外と運転しやすい。
不満なところはルート設定のしにくさ。
画面の左下に検索開始ボタンがあるけど、これが小さすぎる。
どうやら乗車前、あるいは運転席に座って手元に持って操作することを前提に設計されているみたいだけど、車に乗り込んですぐにスタンドに取り付ける自分としてはこのボタンが押しにくい。
加えて経由地や目的地の設定開始ボタンも小さく(直径4ミリもない)これどうやって操作するんだ!というレベル。
過去に検索履歴がある地点なら比較的楽に設定できるのだが、新しい地点だと結構難儀する。
他のナビとは一風変わったルートを提案してくる当たりもちょっと独特。
他のアプリと違って経由地の設定もできるところは評価できると思うのだけど、マップ画面以外のインターフェースがお粗末。
また、GPSセンサーのセンシングレートが低いようで、矢印の動きがぎくしゃくするほか、ルート案内が常に遅れ気味。特にカーブを曲がった直後などの方位変化が遅く、右左折が連続する場合などは自分がどこを向いているかわからなくなることもある。

さて、ここまでは単体での操作感。
docomoドライブネットに関しては専用のクレードルが別売りされていて、これを買うことで機能がアップができる。
まず、専用GPSに学習機能が内蔵されていて、車の位置がかなり正確に修正される。加速度センサーも市販ナビレベルの高精度のものが内蔵されている模様。トンネルの中や立体駐車場の出入りなど、他のナビでは自分の位置がどんどんずれていく場面でも、これがつながっているとそのへんもよきに計らってくれるのがよい。
一方で走行中のルート検索操作などは一切できなくなる。このあたりも製品版ナビに近いという感覚。
また、加減速の具合をもとにエコドライブ度合いをインジケータランプの色で教えてくれるおまけ機能付き。
所で、僕が今使っているスマホでは本来「ドライブネットクレイドル01」というスマホ向けの製品が対応機種。なのだけど、クレイドルのホルダーとGPS・センサーが一体化されている関係で下向きに充電端子が出ている機種だと逆さまにしないとセットできなかったり、ジェル吸盤じゃないのでシボ付きのダッシュボードだとうまくセットできなかったり、思いのほか使いづらい。
そんなわけで僕は、あえてタブレット用の「ドライブネットクレイドル02」を導入し、ホルダーは付属の物ではなく自分の好きなものを別に購入し組み合わせて使っている。01と違い02はセンサーユニットが別体式なので配線の取り回しに若干不便があるものの、普通に認識するし、センサーユニットをダッシュボード奥のベストポイントに設置できるので性能的には安定する。

ナビアプリはこの他にも存在するし、7500円という高額のマップ完全ダウンロード型などもあるので折を見てまた色々試してみるつもり。

2012年11月5日月曜日

「BioLite」キャンプストーブ火入れ式


僕は海外のサイトから直接購入したのだが、国内ではモンベルが取り扱いを開始し、おまけにAmazonでも買えるようになったらしい。結構人気の様子。
実を言うと手元に届いたのは8月。試そう試そうと思っていたけど忙しさでとても手が回らず、おまけに真夏に焚き火はやりたくないのでここまでずれ込んだ次第。
この「BioLite」CampStove。要は強制送風が付いた個人用の小型焚き火台。薪をくべる炉の部分はステンレス製。サイズは500ccのコーラ缶くらいで、収納時には炉の中にすっぽりファンとバッテリーが入ったシステム部が収められている。
使う時にはこのシステム部を取り出して炉に抱きつくように固定する。熱電対(?)も付いているので、一旦火力が安定すると送風用の電力を自力で賄うことができるというシロモノ。
おまけにUSBのソケットを備えてケーブルでスマホの充電ができるおまけ機能もあり。簡単に言ってみれば超小型の火力発電所。
燃料はそこら辺の枯れ枝でOKで、用済みの割り箸や固くねじった新聞紙などでもOK。ただ、送風機の風で巻き上げられるので紙類は焚き付け以外にはあんまり使わないほうがよいかもしれない。
試してみると3分ほどでインジケーターが緑に変わってUSBに出力が始まり、直径1センチほどの枯れ枝を10センチくらいに折って5~6本放り込んだ状態で15分ほど発電が持続した。
竜巻状にオレンジ色の炎が立ち上り、投入した薪は完全に燃焼、後には白っぽい灰しか残らなかった。
今回は鍋をかけていなかったので火力のほどはわからないけど、昔使っていたMSRのウイスパーライトくらい(数分でコーヒー2~3杯の湯が沸く)はありそう。
ただ、使用後の炉の内側はススで真っ黒に汚れていて、そのままシステム部分を収納したいとはちょっと思えない。このあたりみんなどう工夫しているんだろうか?

2012年11月1日木曜日

「イブの時間」観てみた

最近思う所あってロボット物の小説や映画を改めて集中的に観なおしている。

ASIMO効果?で一時期ちょっとだけ盛り上がった国内の二足歩行ロボットのフィーバーが沈静化し、ロボットという言葉自体が最近かなり地味目。いや、どっちかというと時代遅れ的印象さえあるのかも。
しかし現状はむしろサイバーダインのパワーアシストスーツだとか、もう少し砕けて富士重工のアイサイト技術のように、ロボットに代表されていた自律制御の技術がそれぞれの分野で細分化され普及が進んでいる状態で、もうそれほど騒ぐほどのものではなくなったというのが正しいか。
一方で、アマチュアロボット愛好者の登竜門だったはずのロボコンやマイクロマウスなど、トッププレーヤーの技量と興味が先鋭化(高度化)し過ぎて初心者に敷居が高すぎ、同時に一般人の興味のレベルから大きく乖離してきた点が個人的にはもっとも問題だと思っている。
でも、この事を関係者に問題提起しても、(彼ら自身が理系で興味が技術方向に偏っているせいか)どうも「何も知らない素人が騒いでいる」程度の認識。まともに捉えられていないのかバカにされているのか、とにかく非常に反応が鈍い。
僕がこの事を説明する時はよく野球やサッカーに例えるのだけど、ある物事を社会的に認知させ、普及を目指すためには、子供から老人世代まで、それが社会の各世代いずれにとってもリアルな(身近な)距離感に常に近くにあって、たまたま興味を持った人が気軽に参入できる状況が整備されている事が大事だと思う。
例えばこれが野球だと、少年野球、リトル、高校野球、プロ、職場チームやシルバー世代まで、個人でも参加を希望すればどこかが受け入れてくれる土壌が整っている。
後からスタートしたサッカーのコミュニティも同様で、幼稚園サッカーから頂点はJリーグ、そして海外のクラブチームまで、上を目指せばどこまでも高みを目指せると同時に、趣味でちょっとかじる程度でも違和感なく溶け込めるチームが必ずどこかにある。しかもお試しであれば着の身着のままでも参加でき、それほどコストをかける必要もない。

だが、ロボットのコミュニティにはその辺の敷居の低さというか広がりを重視する傾向がまだまだ弱く、加えてちょっとがんばろうと思うとそれだけでえらくコストがかかる。
確かに、経験レベルの低い初心者や、そもそもそこまでガッツリはまるつもりのない趣味的参加者は道を極める者からすると目障りであるのかも知れない。でも、そういう「ちょっとカジッた程度」の初心者、アマチュア層がいずれ熱心なエバンジェリストとなって、物事は一般社会に広く浸透していくものだと僕は思うのだ。
お金の面もしかり。愛好者が増えマーケットニーズが増えれば、そこにビジネスが生まれる。
でも、なぜか彼らはむしろそういった取り組みに背を向けているようにさえ思える。

そんなわけで、僕にとっては、クリエーターが描く「ロボット」の概念は、それがエンターテーメントを志向しているほど参考になる。ハリウッド映画はもちろんとして、やはり日本人としてはアニメ作家の持つ「ロボット」のイメージを理解したいと強く思う。

前置きが長くなったが、「イブの時間」はそういった意味でものすごく参考になった。ストーリーももちろん面白かったのだけど、登場人物のロボットに対する距離の置き方は、ハリウッド映画とまた違っていていかにも日本的でいろいろ考えた。