僕自身も、一時期万年筆に挑戦しようと思ったことはある。まずは入門編として無印良品のアルミ軸万年筆を使ったことがあって、それはそれで気に入っていたのだけど、結構あっという間にインクが無くなる。
ガシガシ書いていて、さあこれから!という時にインク切れが発生して、これまたそんな時に限ってカートリッジを切らしていたりする。
しょうがないのでとりあえずその辺りのコンビニで安いボールペンを買い、その内にインクを買わなくては…と思っているうちにカラカラに乾いてしまい、面倒くさいから放置…ということを少なくとも10回は繰り返しているだろうか。
乾いた万年筆は湯のみ等に食器用洗剤を数滴垂らしてお湯を注ぎ、ペン先部分を一晩つけておけばだいたい復活する。だが、面倒ばかりでなかなか愛着がわかず、結局ふだん使いにはボールペンというお手軽な選択に逃げてしまう。
そんなわけで、万年筆ほど面倒がなく、それなりに重厚感があって愛着の湧きそうなペンをずっと探し続けていた。
工業デザイナーをやっていた時にはパイロットの「ハイテックC」というプラ軸のペンをダース単位で買い込み、アイデアスケッチを描き飛ばすのにガシガシ使っていた。替え芯もないし、インクが無くなる頃には先も潰れるので使い捨て。
その後も幾つかのゲルインキボールペンを渡り歩き、最近は三菱の「uni-ballシグノ」が結構お気に入り。
色は黒ではなくブルーブラックかブラウン・ブラックを使うことが多い。
なんといっても極細で書きやすく、僕の強い筆圧でも潰れないところが気に入っているのだが、所詮安価なプラ軸ボールペンの悲しさ。重厚感はカケラもないし、他人のペンとよく似てるのでとにかくひんぱんに失くす。愛着以前の状態だ。
何とかならないかなあと悩んだ結果、万年筆みたいな(ちょっと高級な)ボールペンの軸に、お気に入りのシグノが入らないかと思い始めた。
ググってみると、同じように考える人はいるもんで「JIS規格「ゲル J/K/L互換リフィル」で、大人のボールペンを作る」という記事がヒット。
まさに思い描いていた通り、シグノ系の芯をOTHOのボールペン「LIBERTY」に入れることができるらしいと知る。
この「LIBERTY」の嬉しいところは、OTHOのラインナップでも相当に様々な替え芯が選べ(なんと筆ペンまで選べる!)、シグノの芯も入る所。
標準の替え芯は300円くらいするらしいけど、もしインク切れになってもシグノならそこら辺のコンビニや100円ショップでも手に入る。
お値段1050円のわりに軸には高級感さえ漂う。
そんなわけで、最近はこの「LIBERTY」を持ち歩いて嬉しがっている。万年筆の面倒も、プラ軸ボールペンの安っぽさもない、まさに理想の組み合わせだと思う。標準でついてきた黒インクの芯を使い切り、シグノのブルーブラックを入れる日が来るのが今から楽しみでならない。
