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2012年11月23日金曜日

愛着のわく筆記用具を探し求める

愛着のわく筆記用具の筆頭と言えばやはり万年筆だろうと思う。
僕自身も、一時期万年筆に挑戦しようと思ったことはある。まずは入門編として無印良品のアルミ軸万年筆を使ったことがあって、それはそれで気に入っていたのだけど、結構あっという間にインクが無くなる。
ガシガシ書いていて、さあこれから!という時にインク切れが発生して、これまたそんな時に限ってカートリッジを切らしていたりする。
しょうがないのでとりあえずその辺りのコンビニで安いボールペンを買い、その内にインクを買わなくては…と思っているうちにカラカラに乾いてしまい、面倒くさいから放置…ということを少なくとも10回は繰り返しているだろうか。
乾いた万年筆は湯のみ等に食器用洗剤を数滴垂らしてお湯を注ぎ、ペン先部分を一晩つけておけばだいたい復活する。だが、面倒ばかりでなかなか愛着がわかず、結局ふだん使いにはボールペンというお手軽な選択に逃げてしまう。

そんなわけで、万年筆ほど面倒がなく、それなりに重厚感があって愛着の湧きそうなペンをずっと探し続けていた。
工業デザイナーをやっていた時にはパイロットの「ハイテックC」というプラ軸のペンをダース単位で買い込み、アイデアスケッチを描き飛ばすのにガシガシ使っていた。替え芯もないし、インクが無くなる頃には先も潰れるので使い捨て。
その後も幾つかのゲルインキボールペンを渡り歩き、最近は三菱の「uni-ballシグノ」が結構お気に入り。
色は黒ではなくブルーブラックかブラウン・ブラックを使うことが多い。
なんといっても極細で書きやすく、僕の強い筆圧でも潰れないところが気に入っているのだが、所詮安価なプラ軸ボールペンの悲しさ。重厚感はカケラもないし、他人のペンとよく似てるのでとにかくひんぱんに失くす。愛着以前の状態だ。
何とかならないかなあと悩んだ結果、万年筆みたいな(ちょっと高級な)ボールペンの軸に、お気に入りのシグノが入らないかと思い始めた。

ググってみると、同じように考える人はいるもんで「JIS規格「ゲル J/K/L互換リフィル」で、大人のボールペンを作る」という記事がヒット。
まさに思い描いていた通り、シグノ系の芯をOTHOのボールペン「LIBERTY」に入れることができるらしいと知る。
この「LIBERTY」の嬉しいところは、OTHOのラインナップでも相当に様々な替え芯が選べ(なんと筆ペンまで選べる!)、シグノの芯も入る所。
標準の替え芯は300円くらいするらしいけど、もしインク切れになってもシグノならそこら辺のコンビニや100円ショップでも手に入る。
お値段1050円のわりに軸には高級感さえ漂う。
そんなわけで、最近はこの「LIBERTY」を持ち歩いて嬉しがっている。万年筆の面倒も、プラ軸ボールペンの安っぽさもない、まさに理想の組み合わせだと思う。標準でついてきた黒インクの芯を使い切り、シグノのブルーブラックを入れる日が来るのが今から楽しみでならない。

2012年11月14日水曜日

SHOT NOTEから普通のメモパッドへ回帰


SHOT NOTEというのはキングジムの発売したメモ帳やノート類のブランド名。
何が新しいかというと、iPhoneやAndroidのカメラアプリと連携していること。
他社からも似たコンセプトの競合製品が次々発売されたけど、基本的な仕組みは概ね同じ。
四隅や周辺にマーカーのある独特なレイアウトのノートに手書きでいろんなことを書いたり、ポストイットやちょっとしたレシートくらいなら貼り付け、それをアプリで撮影すると歪補正をしてくれて、斜め上から撮影しても真四角の状態で取り込み、jpegやPDFにできるというもの。日付や通し番号はOCRもしてくれて、EverNoteやDropboxに送信すると付加情報として画像にくっつけてくれる。
アナログなメモをデジタルに変換するツールとしては結構便利で、ちょっとした紙ものをすぐに失くしてしまう僕としては一時期なくてはならないアイテムだった。
その流れで最近では会議などで配布された資料なども片っ端からScanSnapで取り込んでEverNoteに放り込むようになり、放っておくとすぐに机の上に積み上がってしまう紙媒体の整理もだいぶこなれて来た。
ところが、マーカーなしでも半自動的に歪み補正をして撮影したものをとり込んでEverNoteやDropboxに送信も可能な高性能なアプリ(CanScannerなど)を使うようになって、必ずしもSHOT NOTEは要らないんじゃないかと気づいた。
不細工なマーカーがないことで後から使いやすくなるし、何よりSHOT NOTEは結構高い。ロルバーン、モレスキンなどの高価なノートパッドに匹敵するコストがかかる。だったらいっそ、そういった自分の使いやすいお気に入りの文具を使いたいのが人の常。
まあそう思わなくても、結局デジタル化するのであれば方眼が薄く印刷されたノートパッドであればなんでもいいわけで、おまけにミシン目がついて切り離しやすければなお良し。
そんなわけで、100円ショップのダイソーで方眼ノートを買ってみたが、さすがにこれは製本がひどくて使いにくかった。
何事も行き過ぎは良くないという見本みたいな話。

2012年11月7日水曜日

Androidスマホ用ナビアプリを比べてみた


故あってスマートフォンのカーナビアプリを色々調べている。
最近はスマホ単体で使えるカーナビアプリは調べてみると結構多いのだが、個人的にこれは!と思っているアプリは今のところ下の3つ。

1)docomoドライブネット
2)GoogleMapナビ
3)NAVITIMEドライブサポーター

このうちGooglemapナビだけが無料で、それ以外は月額300円程度の定額課金制なのだけど、いずれも思ったより結構使い勝手がよくて驚く。
昔々パイオニアが出していた「AirNavi」がクラウドにマップデータや渋滞情報を置く通信型カーナビの元祖で、僕自身使ったこともある。マップデータが自動更新される当時としては斬新なナビだったのだけど、ルート検索が遅かったり、リルートが遅くて交差点を曲がり損ねたり、まあ不便も多かった。
ところがこれらのナビアプリはそんなものははるか後方に置き去り、下手するとHDDナビまで余裕で凌駕するレベルなのは正直スゴイ。

まず、docomoドライブネット。アプリの起動直後に承認のための通信が発生するのが少々うざいが、現在使っているパイオニアのサイバーナビと同じマップデータを使っているためか、ルート検索の結果などもまったく遜色のないレベル。というか、製品版カーナビ同様に裏道案内が自粛された優等生的なルート検索。
ただ、その割にマップデータの細部に小さなミスがある。例えば僕の職場などは裏手にある職員用の駐車位置まで少し距離があるのだけど、なぜか隣接する隣の施設へのアプローチから入るように案内されるなど。
パイオニアのマップデータは昔からこういう私道や細道の案内に弱いところがあり、それがなかなか修正されないのが不満。
それ以外で気になるのは単体使用の場合、走行中に自車位置を示す矢印の移動が少々ぎこちない部分かな。
(ドライブネットは外付のGPSユニットと加速度センサーがあるのでそこら辺は後述)

次にGoogleMapナビ。(MapとNaviは別のアプリなので注意)
Googleのナビで一番気に入っているのは、最初に目的地を入力する画面がものすごく使いやすい。
大きく「目的地を音声入力」「目的地をキーボードで入力」「自宅に戻る」「地図表示」の4つのアイコンが表示され、その下には履歴が新しい順に並ぶ。
音声認識が秀逸で、結構正確に認識する。
ルート検索はまあまあ良い感じ。小道の案内ミスもないし、到着予定時間もなかなか正確に出る。思うにこれはストリートビューの撮影車が実走行したデータが反映されているのではないかと思う。無料アプリとは思えない使い勝手の良さ。
全般的に他のアプリよりリルートが早いが、まれにものすごく遅くなる事がある。通信状態にもよるが、他のアプリよりキャッシュが少なく設定されている印象。

次にNAVITIMEドライブサポーター
マップの表示が美しく、手元ではちょっとどぎつく思える配色も、ダッシュボードに設置してみると結構見やすい。
また、交差点や分岐などで標識のグラフィックが出たり、道路の絵が出たりするのは意外と運転しやすい。
不満なところはルート設定のしにくさ。
画面の左下に検索開始ボタンがあるけど、これが小さすぎる。
どうやら乗車前、あるいは運転席に座って手元に持って操作することを前提に設計されているみたいだけど、車に乗り込んですぐにスタンドに取り付ける自分としてはこのボタンが押しにくい。
加えて経由地や目的地の設定開始ボタンも小さく(直径4ミリもない)これどうやって操作するんだ!というレベル。
過去に検索履歴がある地点なら比較的楽に設定できるのだが、新しい地点だと結構難儀する。
他のナビとは一風変わったルートを提案してくる当たりもちょっと独特。
他のアプリと違って経由地の設定もできるところは評価できると思うのだけど、マップ画面以外のインターフェースがお粗末。
また、GPSセンサーのセンシングレートが低いようで、矢印の動きがぎくしゃくするほか、ルート案内が常に遅れ気味。特にカーブを曲がった直後などの方位変化が遅く、右左折が連続する場合などは自分がどこを向いているかわからなくなることもある。

さて、ここまでは単体での操作感。
docomoドライブネットに関しては専用のクレードルが別売りされていて、これを買うことで機能がアップができる。
まず、専用GPSに学習機能が内蔵されていて、車の位置がかなり正確に修正される。加速度センサーも市販ナビレベルの高精度のものが内蔵されている模様。トンネルの中や立体駐車場の出入りなど、他のナビでは自分の位置がどんどんずれていく場面でも、これがつながっているとそのへんもよきに計らってくれるのがよい。
一方で走行中のルート検索操作などは一切できなくなる。このあたりも製品版ナビに近いという感覚。
また、加減速の具合をもとにエコドライブ度合いをインジケータランプの色で教えてくれるおまけ機能付き。
所で、僕が今使っているスマホでは本来「ドライブネットクレイドル01」というスマホ向けの製品が対応機種。なのだけど、クレイドルのホルダーとGPS・センサーが一体化されている関係で下向きに充電端子が出ている機種だと逆さまにしないとセットできなかったり、ジェル吸盤じゃないのでシボ付きのダッシュボードだとうまくセットできなかったり、思いのほか使いづらい。
そんなわけで僕は、あえてタブレット用の「ドライブネットクレイドル02」を導入し、ホルダーは付属の物ではなく自分の好きなものを別に購入し組み合わせて使っている。01と違い02はセンサーユニットが別体式なので配線の取り回しに若干不便があるものの、普通に認識するし、センサーユニットをダッシュボード奥のベストポイントに設置できるので性能的には安定する。

ナビアプリはこの他にも存在するし、7500円という高額のマップ完全ダウンロード型などもあるので折を見てまた色々試してみるつもり。

2012年11月5日月曜日

「BioLite」キャンプストーブ火入れ式


僕は海外のサイトから直接購入したのだが、国内ではモンベルが取り扱いを開始し、おまけにAmazonでも買えるようになったらしい。結構人気の様子。
実を言うと手元に届いたのは8月。試そう試そうと思っていたけど忙しさでとても手が回らず、おまけに真夏に焚き火はやりたくないのでここまでずれ込んだ次第。
この「BioLite」CampStove。要は強制送風が付いた個人用の小型焚き火台。薪をくべる炉の部分はステンレス製。サイズは500ccのコーラ缶くらいで、収納時には炉の中にすっぽりファンとバッテリーが入ったシステム部が収められている。
使う時にはこのシステム部を取り出して炉に抱きつくように固定する。熱電対(?)も付いているので、一旦火力が安定すると送風用の電力を自力で賄うことができるというシロモノ。
おまけにUSBのソケットを備えてケーブルでスマホの充電ができるおまけ機能もあり。簡単に言ってみれば超小型の火力発電所。
燃料はそこら辺の枯れ枝でOKで、用済みの割り箸や固くねじった新聞紙などでもOK。ただ、送風機の風で巻き上げられるので紙類は焚き付け以外にはあんまり使わないほうがよいかもしれない。
試してみると3分ほどでインジケーターが緑に変わってUSBに出力が始まり、直径1センチほどの枯れ枝を10センチくらいに折って5~6本放り込んだ状態で15分ほど発電が持続した。
竜巻状にオレンジ色の炎が立ち上り、投入した薪は完全に燃焼、後には白っぽい灰しか残らなかった。
今回は鍋をかけていなかったので火力のほどはわからないけど、昔使っていたMSRのウイスパーライトくらい(数分でコーヒー2~3杯の湯が沸く)はありそう。
ただ、使用後の炉の内側はススで真っ黒に汚れていて、そのままシステム部分を収納したいとはちょっと思えない。このあたりみんなどう工夫しているんだろうか?

2012年11月1日木曜日

「イブの時間」観てみた

最近思う所あってロボット物の小説や映画を改めて集中的に観なおしている。

ASIMO効果?で一時期ちょっとだけ盛り上がった国内の二足歩行ロボットのフィーバーが沈静化し、ロボットという言葉自体が最近かなり地味目。いや、どっちかというと時代遅れ的印象さえあるのかも。
しかし現状はむしろサイバーダインのパワーアシストスーツだとか、もう少し砕けて富士重工のアイサイト技術のように、ロボットに代表されていた自律制御の技術がそれぞれの分野で細分化され普及が進んでいる状態で、もうそれほど騒ぐほどのものではなくなったというのが正しいか。
一方で、アマチュアロボット愛好者の登竜門だったはずのロボコンやマイクロマウスなど、トッププレーヤーの技量と興味が先鋭化(高度化)し過ぎて初心者に敷居が高すぎ、同時に一般人の興味のレベルから大きく乖離してきた点が個人的にはもっとも問題だと思っている。
でも、この事を関係者に問題提起しても、(彼ら自身が理系で興味が技術方向に偏っているせいか)どうも「何も知らない素人が騒いでいる」程度の認識。まともに捉えられていないのかバカにされているのか、とにかく非常に反応が鈍い。
僕がこの事を説明する時はよく野球やサッカーに例えるのだけど、ある物事を社会的に認知させ、普及を目指すためには、子供から老人世代まで、それが社会の各世代いずれにとってもリアルな(身近な)距離感に常に近くにあって、たまたま興味を持った人が気軽に参入できる状況が整備されている事が大事だと思う。
例えばこれが野球だと、少年野球、リトル、高校野球、プロ、職場チームやシルバー世代まで、個人でも参加を希望すればどこかが受け入れてくれる土壌が整っている。
後からスタートしたサッカーのコミュニティも同様で、幼稚園サッカーから頂点はJリーグ、そして海外のクラブチームまで、上を目指せばどこまでも高みを目指せると同時に、趣味でちょっとかじる程度でも違和感なく溶け込めるチームが必ずどこかにある。しかもお試しであれば着の身着のままでも参加でき、それほどコストをかける必要もない。

だが、ロボットのコミュニティにはその辺の敷居の低さというか広がりを重視する傾向がまだまだ弱く、加えてちょっとがんばろうと思うとそれだけでえらくコストがかかる。
確かに、経験レベルの低い初心者や、そもそもそこまでガッツリはまるつもりのない趣味的参加者は道を極める者からすると目障りであるのかも知れない。でも、そういう「ちょっとカジッた程度」の初心者、アマチュア層がいずれ熱心なエバンジェリストとなって、物事は一般社会に広く浸透していくものだと僕は思うのだ。
お金の面もしかり。愛好者が増えマーケットニーズが増えれば、そこにビジネスが生まれる。
でも、なぜか彼らはむしろそういった取り組みに背を向けているようにさえ思える。

そんなわけで、僕にとっては、クリエーターが描く「ロボット」の概念は、それがエンターテーメントを志向しているほど参考になる。ハリウッド映画はもちろんとして、やはり日本人としてはアニメ作家の持つ「ロボット」のイメージを理解したいと強く思う。

前置きが長くなったが、「イブの時間」はそういった意味でものすごく参考になった。ストーリーももちろん面白かったのだけど、登場人物のロボットに対する距離の置き方は、ハリウッド映画とまた違っていていかにも日本的でいろいろ考えた。

2012年10月23日火曜日

なんだか煽られてる


どうやら最近、2ちゃんねるの某掲示板の中でたびたび中傷されている(らしい)。
私は普段2ちゃんねるは見ないのだが、今年の夏、取引先の担当者から掲示板に私の名前が出ていることを知らされた。
その後もたびたび名指しで酷い中傷をされているとの事だった。
放っておこうかと思っていたが、古巣にも迷惑がかかるし、主張しないのは黙認したことにつながりかねないと考え、一度だけ、守秘義務違反にならない範囲でそもそもの出発点になっていると思われる書き込みについて当時の状況を書いておくことにする。
2ちゃんねるの該当掲示板ではなくあえて自分のブログに書くのは、あの掲示板の趣旨とは無関係な話になる上、発言者を明確にするためだ。
また、以後いかなる煽りがあっても二度と反応しないと決めている。ここだってそれほどアクセスのあるブログでもないし、この文章自体精神衛生上の措置。自分の気がすんだら消すつもりだ。



当時、未来館には書き込みにあるような「事務局」という組織ないしは部署は存在しなかった。
運営局、または企画局という呼称が内外に定着しており、事情通であればそもそもそんな初歩的なミスをする事自体不思議な話だ。
次に、「私が自らの立場を悪用して云々」という記述だが、当時の私の立場は館の運営管理を委託された広報財団の一職員(運営局)にすぎない。
ごく一般的な消耗品などを除き、一定金額以上の調達に関しては随意契約(一社購買)は認められず、二社、三社の見積書を比較の上、最もリーズナブルな納入業者を選ぶよう徹底されていた。
加えて一方で展示更新の入札など高額の案件は館の別室に常駐する科学技術振興機構(企画局)の仕切であり、私が立場を云々することなどそもそもからして不可能な話なのである。
本案件の導入に関して、私は先行事例として三鷹の4D2U、ハワイのイミロア天文教育センターなどをリサーチし、自身の職責の範囲内で技術的なサポートを行った。(もちろん単独行ではない)
それ以外でたった一点、強く私が願い出たのは、本案件の入札資格は緩和するべきであるという主張だけだ。

ご存じの方も多いが、実現性を担保するため、官公庁の入札には通常その契約想定額に応じて入札できる会社規模(資本金、売上規模など)が等級という形で厳密に規定されている。
この時の案件規模では、本来それなりの規模を持つ企業しか参入できない。しかしながらベンチャー企業の持つ特殊な技術を前提にしたものなど、考慮すべき合理的な理由があれば特例的に入札条件の緩和が(ごく稀に)許可される事がある。ただ、その実現のために担当者がどのくらい汗をかかなくてはいけないか、特例を通した当時の担当者の努力には本当に頭がさがる。

そんなわけで、本来なら意図を加えずとも一定規模以下の企業は排除されてしまう。
しかしながら、最終的に当時の官報にどのように記述されているか、調べてみればわかる。それが何を意味するか、素直に考えればだれでも理解できるはずだ。

また、公開された入札仕様書では、一項を設けて現光学投影機との積極的連携が明確に要求されている。もし私が本当に立場を利用でき、特定の企業に便宜を図る意図ならその障害になるような項を設ける必要などそもそもないはず。
重ねて言う。私がやったという特定業者への便宜、あるいは特定の人物への私怨など、いずれも単なる憶測にすぎない。

確かに私は、2005年の11月、それまでの職を辞し、他所に転職した。理由は個人的なことだが、揶揄されているような不正めいた理由ではなかった事ははっきり明言しておく。
事務所の鍵を返却し、二度と戻らぬ扉をくぐった日から3日くらいはこちらの意見が理解してもらえぬ悔しさに反感も持ったが、その後前職場やその代表者に継続的な怨みや嫉妬心を持ったことはなく、恐らくこれからも同様だろう。
信じるかどうかはそれぞれの考え次第だが、2ちゃんねる他に批判や非難の書き込みをしたこともない。これも本当に調べる気になれば判る話だ。

そもそも、私は過ぎてしまった事にあんまり執着がない。
それなのに数年後未来館に戻ったのはある恩人への義理があったからだ。
科学館は好きな仕事ではあったが、一方で先行きがきわめて不透明な業種でもある。その人物の勧めがなければ恐らく採用試験を受けることもなかっただろうし、今でも別業種で普通に仕事をしていただろう。そっちはそっちでやりがいもあったからだ。

2012年7月28日土曜日

EOS M登場

ちょっと前の記事で書いたけど、巷の予想通りキャノンのミラーレス「EOS M」が登場。9月には店頭に並ぶらしい。
ところが、これがちっとも萌えない作りでなんともガッカリした。
その気になればフルサイズ一眼のマーケットを喰い荒らすくらいの過激さを期待したのだけど、なんとも平凡な作り。キャノンの社内会議の様子が目に浮かぶよう。

「そんなものを出したらうちのドル箱、EOSシリーズが売れなくなるじゃないか!」
「しかし専務(勝手にこう妄想)、現在フルサイズの一眼は国内では不振です。加えてスマホにカメラ市場が脅かされているんです。このままじゃ・・・」
「だからといって自分で自分の首を締める真似を許すわけにはいかん! もう少し地味なスペックにまとめ直したまえ」
「しかしそれでは売れない・・・」
「いいんだよ。他社との競争の手前、ミラーレスには参入するが、こんなものは本来邪道だ。 ウチの主要顧客であるプロカメラマンに受け入れられるはずはないんだ」

とかなんとか。
個人的には、多少高くてもいいからフルサイズのEOSをドブに捨てたくなるような超高性能のミラーレスを期待するのだが、やっぱり無理なんだろうか。
少なくとも、ミラーレスを選択する時点でメカ精度は関係なくなるし、レンズを別にすればCMOSと画像処理エンジンのスペックがすべてを決めるような気がする。
キャノンの画像処理エンジンはDEGICという独自開発のプロセッサで、現在6代目、かなり熟成も進んでいる。
動画撮影も、外部制御も、ソフトウェア次第でいくらでも実装できるのだから、その気になればあのコンパクトボディに全部入りの機体なんか簡単に実現できるはずなのだ。
高性能なカメラはでっかくなくてはいけないと誰が決めたのか。
そういえば昔、京セラがヤシカのカメラ事業を吸収してカメラ業界に参入するときに「サムライ」という片手持ちハーフサイズカメラを売りだしたのを思い出す。
デザインの斬新さとは裏腹に画質はハーフサイズとは思えないほど良くてびっくりした記憶がある。国内ではそれほどでもなかったのだけど、ネーミングもあって主に海外で人気だったと聞いたことがある。
高度なテクノロジーをベースにした、斬新なアイディア商品がメイドインジャパンから消えて久しい。
僕にはそれが、ソニーやシャープなどの凋落と重なって見える。

2012年6月14日木曜日

ロバのパン屋とか

自分が小学生になるかならないかの頃、家の近所に菓子パンの移動販売車がよく回ってきていた。
「ロバのおじさんチンカラリン、チンカラリンロンやって来る~♪」というテーマソングを流しながら軽ワゴンでやって来て、近所の公園の脇でしばらく停まって客をさばいていた。
一個数十円だったと思うけど、百円玉を何枚か握りしめてよく買いに行った記憶がある。
最近見かけないのは、コストがパンの値段に見合わなくなったのか、それとも日中住宅地にそもそも人が少なくて商売にならないのか。

ほかにも、軽トラの荷台に専用の圧力釜を載せた「ポン菓子」売りなどもよく見かけた。
お金の他に米を2合くらい袋に入れて持って行くと、何人か分まとめておもむろに釜に突っ込み、ザラメ糖らしきものを一緒に投入。しばらくあぶりながらハンドルを回し、圧力計の針を見計らって釜のフタを木槌で叩いて一気に開放。「ドカーン!」という音と大量の水蒸気ともに元の5倍~10倍ほどに膨れた甘い米菓子が金網のかごに吹き出してくるというもの。
要は急減圧で穀物内の水分が膨れ上がり、ポップコーンのように米粒そのものをふくらませる理屈なのだけど、減圧時の音が迷惑なのか、こちらも最近は見かけない。
ポン菓子そのものは今でもよく見かけるのでどこかで作ってはいるのだろうけど。

2012年6月12日火曜日

キャノンのミラーレス一眼が現実的に?

沈黙を守ってきた大御所がそろそろ動く、そんな予感を感じさせる。
きっかけはステッピングモーター駆動の小型レンズの発売。
某うわさサイトでは2012年6月頃に「三本の交換レンズとともに」ミラーレス機が発表されると言われていた。
おそらくそのうわさのもとになっているのが6月末発売予定のEF40mm F2.8 STM」と名付けられた極薄(パンケーキ)レンズ。加えて同時発表のズームレンズ「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM」であることはまあ間違いないところだと思う。現状ではEOSX6iとのペアで売り出しているけれど、6iはこんな小型のレンズと釣り合いのとれる機体とも思えない。
この妄想が間違っていないとすれば、EFマウントの豊富なレンズ群がミラーレス一眼のバックを強力に支える事になるわけで、後出しじゃんけんの有利さを差し引いても相当魅力的な機体になることはまず間違いないところ。
個人的に、ミラーショックのない高画質のカメラが欲しいとずっと思っていた。星の長時間撮影をするために簡易赤道儀にビデオカメラとスチルカメラを同架すると、ミラーショックでビデオの画像が激しくブレるからだ。インターバル撮影などで何度もシャッターを切ると追尾精度にも悪影響があるので正直困っていた。
発売は先のうわさサイトの最新情報では年末商戦直前だとか。
たぶん欲しくなるだろうな。今から貯金か。



2012年6月8日金曜日

FileMakerとSQLの連携について考える(1)

ちょっと前の事だけど、とあるDBシステムのフロントエンドを安価に設計できないか検討する機会があった。
僕はプログラミングの知識は凡人並なので、それでもひと通りのシステムが立ち上げられることを前提に色々考えてみた。結果、Linuxで動作するSQLサーバーをハブにして、他人に作ってもらうデータの機械収集プログラム部分と、Filemakerを使って自分で作るデータレコードの新規製作、集計インターフェース部分を連携させる工夫ができないかと思うに至る。
ところが、FilemakerがESSで対応しているのはOracleとMySQLのみのようで、それ以外のSQLはODBC経由でバッジ処理的な一方的書き出し、あるいは取り込みにしか対応しない。
仕方がない、リアルタイムにアクセスできる必要があるのでMySQLをとも企んだけど、結局ライセンス料で挫折。なかなかうまく行かないものである。

2012年6月4日月曜日

鍵が壊れた?

自宅の玄関の鍵が変。
現在の部屋は引渡しの時に不動産屋から鍵を二本渡された。一本を自分が、もう一本を妻が使っているのだけど、数日前から突然自分の鍵だけが使えなくなった。引っかかるとか、そういう甘いレベルではなく、そもそも鍵穴に差し込んでも右にも左にも一切回らないという徹底ぶり。
とりあえず妻の鍵と見比べてみても特に傷んでいるとか、変形している様子はない。
でもまあ確かにしばらく前から鍵のささりが若干渋いかなと思うことはあった。そのうち鍵穴にクレ556でも一吹きしようと思っていた矢先にこの始末である。
でもまあ、このズボラが唯一良かったのは、「鍵穴に潤滑油スプレーは厳禁!」という事を先に知った点。
賃貸なので以前の住人が潤滑スプレーを使っていたらどうしようもないのだけど(驚くことにふすまのレールにまで潤滑スプレーを使ったらしい痕跡があったのでその可能性が非常に高い)潤滑油がホコリを呼んで細部に固着することで状況がさらに悪化する可能性があるのだとか。
とりあえず、今の鍵をパーツクリーナーで徹底的に洗浄し、きれいになったところで鉛筆で鍵の溝や穴を軽くなぞってやる。鉛筆の芯に含まれる黒鉛が滑りをよくしてくれるのだそう。
さて、コレでどうだと勇んで試してみたがびくともせず。さてどうしたもんか?

(追記)
結局、数日後に鍵穴専用の潤滑パウダースプレー(鍵穴専用潤滑剤3069S)を購入して何度か抜き差しを繰り返し、ようやく復旧した。パウダースプレーとともに黒い油の塊が鍵の先について出てきたのでトラブルの元凶はこいつだった可能性が高い。

2012年5月25日金曜日

車検

プリウスに乗り換えて早いもので3年、最初の車検がやって来た。走行距離は間もなく10万キロ、明らかに過走行で、ディーラーは乗換えも勧めて来たものの、まだまだ足回りもしっかりしているので継続を決意。同型で既に走行用バッテリーを交換した例もあるとは聞いているけど、ハイブリッドの適切な乗り換えのタイミングって一体どのくらいなんだろう。手探りが続く。

2012年5月18日金曜日

LTEについて

docomoから機種変更優待クーポンが届いた。
今使っているXperiaを、Xperia acro HDに機種変更しませんかというもの。
個人的には高速通信が可能なLTE対応スマホの方に興味があって、どうせならacro HDじゃなくて富士通のarrowsX LTEあたりに機種変出来ないかとドコモショップに聞いてみた。
で、結論から言うと、当面LTE乗り換えはしないことに決定。
なんでも、現行機種(2012年夏モデル発表前)のLTE機はバッテリーの持ちがすこぶる悪いという評判で、ショップにもかなりクレームが入っているのだとか。
そういえば何年か前、ムーバからFOMAに乗り換えるときも似たような話があったなあと思い出す。
現行機種はFOMAとLTEのデュアル端末機なんだけど、LTEを使わないという設定が出来ないため、(LTEのサービスエリアが狭いせいもあり)端末がひんぱんに基地局をロスト。その都度基地局を探そうとガンガン電波を飛ばす(通話状態でなくても)のでバッテリーに負荷が大きい。
加えてFOMAとLTE両方のネットワークに対して常に自分の位置情報を通知している上、LTEはFOMAの倍の頻度で基地局とやり取りをしているため、通話中よりもむしろ待受中にバッテリーがガタ減りするのだとか。
関東圏ならまだしも、ウチみたいな田舎は移動のたびにLTEエリアを出たり入ったりせざるを得ないので、もしかしたらもっと条件が良くないかもしれない。
だったらもう少しLTEエリアが広くなって、LTEオンリー機が出るまで待とうとそう思った次第。

しかし、一方で現在使っているXperia acroはユーザーメモリが狭くて一つアプリを入れるためにひとつ消すみたいな状況。使い勝手が悪いからどうにかしたいと思っているのも確か。
うーん、どうにかならんものか。

2012年4月29日日曜日

金魚王国の崩壊

金魚が死んだ。
近所の縁日で金魚すくいをして、その翌日には死んでしまったけど、チビが知ると悲しがるだろうと、わざわざ似た種類の和金をペアで購入したもの。
いつの間にか色味が抜けて、片方が赤、もう片方が白でおめでたい紅白コンビになって二年。
特に赤は何度も白点病を発症し、その都度持ち直した粘り強い子だったが、今回は尾腐れ病から一気に病状が悪化し、昼には水槽の底で横たわったまま動かなくなっていた。
残されたもう白も目が充血して病状はあまり良くないのだけど、それでも相棒の死はわかったようで、横たわる赤のそばから離れようとせず、処分のために水槽から取り出すとその後狂ったように水槽中を泳ぎまわる姿がなんとも痛ましい。
別に宗教は持ち合わせてないけど、夕食前に家族全員で天国に行った赤のためにお祈り。
明日、埋葬。

2012年4月27日金曜日

ココログからBloggerに移転を試みる

長年使い続けていたニフティについて、解約の方向で色々と検討。
もともと旧ニフティサーブのFSFフォーラムに参加するために取ったアカウントで、ニフティサーブ自体が空中分解した今となってはほとんど継続の意味合いがなかった。それでもまあ自宅のネット回線のプロバイダとか、ブログの置き場として細々使ってはいたのだけど、いろいろ思うところあってついにとりかかることにした。
まず、一番重たいのがブログの引越。他人には無意味な内容でも個人の記録としてはそこそこ大事なものなので継続したい。ところが、ココログはブログの文章部分についてはエキスポートの機能があるのだけど、画像については全く考慮されていない。
仕方ないので一枚一枚手作業でPCに落とす。100枚近くあって正直嫌になった。
一方で文章については、このサイトを参考に、コメントも含めてさっくり移転。とりあえず、古い記事に埋め込まれている画像のリンクをどう修正したものかと思案中。やっぱり手作業しかないかな。

2012年4月20日金曜日

80年前の映像に残された日食映像から撮影日を特定

某放送局から仕事場へ、およそ80年前の8ミリフィルムに残された日食の映像から、その撮影日時を特定して欲しいと依頼有り。

ともかく見せてくださいという話で持ち込まれた映像を確認すると、肝心の太陽映像は輪郭がぼやけていてそれだけでは特定が難しい。
だが、インサートカットに日食を見上げている割烹着姿の女性達の姿があった。白い割烹着を腕まくりし、少なくとも真冬ではなさそうである。
さらに、女性の顔の傾きから、最低でも30度以上、イメージ的には40度から45度くらい見上げているように見える。
そして、次のインサートカットでは手水鉢の水面に映った太陽を撮影している。
手水鉢が真円だとすると、円の潰れ具合から45度くらい斜め上から見下ろしている事になる。つまり、太陽は水面へおよそ45度で入射していることになり、これで日食時の太陽高度がほぼ確定できた。

次に、遺族の話から、撮影者の没年は1941年である事がわかった。
8ミリフィルムは日本では1932年から一般に市販されたという事なので、1932年から1941年までの間に新潟地方で観測可能な部分日食をリストアップしてみると合計5回であることが判明。
この中から、太陽高度が45度くらいで日食が起こるものを調べると、日食の発生時間が早朝だったり、食分が浅すぎたりするものばかりで、条件をすべて満足するものは一件しかなかった。これでほぼ間違いなく特定できる。

1936年6月19日。朝日映像が北海道で「黒い太陽」という記録映画と撮った同じ日に、市井のアマチュアカメラマンが新潟で日食映像を残していた事になる。

わずか数分の映像に残された断片的な証拠から、その日時を特定するという推理劇。本当にゾクゾクするエキサイティングな体験でした。