以前の記事でキングジムの「ShotNote」について、「最近はよいカメラアプリが出てきたので邪魔っけなマーカーの印刷された専用のメモパッドやノートはもはや不要かも?」と書いた。
キングジムももちろんその辺りはリサーチ済みだったようで、紙資料の外側のコントラストの強い余白(この場合「余白」ではなく「余黒」というべきか)を認識し、それをガイドにして資料をきれいにデジタル化する新機軸の商品「ShotDocs」が売りだされた。
紙のまま保管することが前提の名刺や配布資料などを専用のバインダーに入れて写真を取ると、歪や余白が補正されてきれいにデジタル化出来るというコンセプト。
同じ理屈でノートの見開きの帯を認識して同じようにデジタル化できるラインナップも一応発売されてはいるが、ShotoNoteの補完という事を考えるとメインは前述の使い方になるらしい。
ガジェット好きとしては早速使ってみたいところだが、前回「専用ノートはもはや不要!」と偉そうに宣言した手前、早々にキングジムの足元にひれ伏すのも癪にさわる。ここは負けずに(?)色々工夫してみる事にする。
現在、僕がShotNoteの代替として一番気に入っている組み合わせは、マルマンの「Mnemosyne(ニーモシネ)」というA5サイズのノートパッドにメモを取り、それをCamScannerというアプリで電子化するというもの。ニーモシネは上部に日付タイトル欄があり、5ミリの方眼罫が薄く印刷された用紙は他社の類似製品より明らかに滑らかで、ペンの滑りが良くて書きやすい。
またCamScannerは切り離した用紙単独でも撮影できる上に、自動でエッジを拾ってくれるので補正もしやすい。ここを今回ShotoDocs専用アプリと使い比べてみる事にする。
ところで、ニーモシネはミシン目から切り離した用紙がちょうどA5サイズになるように作られており、逆に綴じられた状態では縦が長すぎて通常のA5パッド用のバインダーにきちんと収まらない。まあニーモシネ専用バインダーを買えば済む話なのだけど、高価な上になぜか最近品切れでネットでは買えない。用紙の全周をきちんと囲むようにコントラストの強い枠を配置せねばならないらしいので、はみ出すのはちょいと都合が悪い。
次善の策として、今回はShotNoteのA5パッドとほぼ同じサイズの「RHODIA」ブロックロディアを使うことにする。
次にShotoDocs専用アプリをダウンロードして、愛用のバインダーにセットしたブロックロディアを撮影。これできれいにエッジを認識すれば「勝った!」ということになるのだがさて。
結果は上々。専用バインダーでなくとも紙のエッジをきちんと認識出来ればOKということが判明。シャッターをさずとも、認識バーが端まで伸びると自動でシャッターが切れる(便利!)ことも確認できた。
ついでなのでビジネスではつきものの名刺を撮影。バインダーの表紙に名刺を置き、同じように自動認識させてみるとこれもまあまあ使える仕上がり。
一方で、スナップ写真や用紙の縁まで絵柄があるカラー資料など、資料の地色自体に柄がのっている場合はうまく認識しない。(これは専用バインダー使っても同じかもしれない)
そんな訳で、専用の商品を買わずとも、勘どころさえ押さえれば十分使える事が分かった。
ちなみに、ShotNoteで以前実験した時は、四隅のマーカーだけではなく「SHOT NOTE」というロゴが欠けただけでもアプリが認識しない鉄壁の囲い込み対策がされていたのに、今回はなんというか緩いというか、個人的には嬉しい仕上がり。
お気に入りの文具も無駄にせずに済みそうなので、せめてものお礼代わりにShotDocs専用ノートも併用していくつもり。